2024.03.13
シンニチ工業の紹介
SS400とは?SS材の特徴について解説
SS400とは?SS材の特徴について解説
目次
SS400の規格
SS400の質量
SS400の化学成分
SS400の機械的性質
SS400の板厚の種類
SS400とは?SS400の特徴
SS400とは、JIS規格「一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101」に規定されているSS材の4種(SS330・SS400・SS490・SS540)のうちで、最も使用頻度の高い、汎用的な鋼種です。
用途としては土木建築部材・船舶部品・自動車部品などが挙げられます。
SSの後の400は、引張強さ(N/mm2)の最小保証値で、SS400の場合は「引張強さ400~510N/mm2」の範囲であることを示しています。
SS材は鋼板以外に、鋼帯、形鋼、平鋼、棒鋼がありますが、ここでは、鋼板及び鋼帯を中心に書いていきます。
シンニチ工業では、鋼管JIS規格のSTKM(機械構造用炭素鋼鋼管:JIS G 3445)やSTK(一般構造用炭素鋼鋼管:JIS G 3444)などの規格ラインナップになく、一般的に流通していない特殊サイズのパイプ製造を得意としております。
当社では、これらの代替材として、用途に応じてSS400などの材料を選定し、使用しております。
市中では入手する事が難しいφ165.2×t1.6といった大径薄肉の特殊サイズも製造及び在庫を保有しておりますので、特殊サイズでお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
【お問合せ先】 WEBからのお問い合わせ
【関連ページ】 製品情報-鉄パイプ
SS400の規格
SS400の規格は、JIS規格「一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101」及び「熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状、寸法、質量、及びその許容差:JIS G 3193」によって、標準寸法、寸法許容差、質量、化学成分、機械的性質などが規定されています。
本記事では、それらの規格の中でも重要項目について纏めております。
SS400は鋼板以外に、鋼帯、形鋼、平鋼、棒鋼がありますが、ここでは、鋼板及び鋼帯を中心に書いていきます。
SS400の質量
SS400の比重は7.85(密度7.85g/cm3)です。SS400に限らず、SS材は全て同じ値です。
鋼板の重さ(kg)=7.85 × 板厚(mm)× 板幅(M)× 長さ(M)
鋼管の場合の材料係数は0.02466です。
鋼管の重さ(kg)=【外径(mm)- 板厚(mm)】× 板厚(mm)× 0.02466 × 長さ(M)
SS400の化学成分
単位:%
種類の記号 | C(炭素) | Mn(マンガン) | P(リン) | S(硫黄) |
SS330 | – | – | 0.050以下 | 0.050以下 |
SS400 | ||||
SS490 | ||||
SS540 | 0.30以下 | 1.60以下 | 0.040以下 | 0.040以下 |
*必要に応じて、この表以外の合金元素を添加してもよい。 |
上記の表は、「一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101」に規定されている、SS材の化学成分表を抜粋したものです。
SS400の機械的性質
種類の記号 | 引張強さ (N/㎟) |
鋼板, 鋼帯, 平鋼の厚さ (㎜) |
伸び(%) | 引張試験片 |
SS330 | 300~430 | 5以下 | 26以上 | 5号 |
5を超え16以下 | 21以上 | 1A号 | ||
16を超え50以下 | 26以上 | 1A号 | ||
SS400 | 400~510 | 5以下 | 21以上 | 5号 |
5を超え16以下 | 17以上 | 1A号 | ||
16を超え50以下 | 21以上 | 1A号 | ||
SS490 | 490~610 | 5以下 | 19以上 | 5号 |
5を超え16以下 | 15以上 | 1A号 | ||
16を超え50以下 | 19以上 | 1A号 | ||
SS540 | 540以上 | 5以下 | 16以上 | 5号 |
5を超え16以下 | 13以上 | 1A号 | ||
16を超え40以下 | 17以上 | 1A号 |
上記の表は、「一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101」に規定されている、SS材の機械的性質表を抜粋したものです。
SS400の板厚の種類
熱間圧延鋼板及び鋼帯の標準厚さは以下の通りです。標準厚さでも、板厚によって入手性が異なります。
シンニチ工業では、鉄パイプの製造範囲はt0.8~4.0mmと、薄肉サイズを得意としております。
標準厚さ(㎜) | ||||||||
1.2 | 1.4 | 1.6 | 1.8 | 2.0 | 2.3 | 2.5 | (2.6) | 2.8 |
(2.9) | 3.2 | 3.6 | 4.0 | 4.5 | 5.0 | 5.6 | 6.0 | 6.3 |
7.0 | 8.0 | 9.0 | 10.0 | 11.0 | 12.0 | 12.7 | 13.0 | 14.0 |
*鋼帯及び鋼帯からの切板は、厚さ12.7㎜以下を適用する。 *括弧以外の標準厚さの適用が望ましい。 |
上記の表は、「熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状、寸法、質量、及びその許容差:JIS G 3193」に規定されている、熱間圧延鋼板の標準厚さ表を抜粋したものです。
その他の鋼種について
SAPH400
SAPH400とは、JIS規格「自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯:JIS G 3113」に規定されている4種(SAPH310・SAPH370・SAPH400・SAPH440)のうちで、引張強さを400N/㎟以上と規定された鋼種です。引張強さだけであればSS400と下限値が同じであるため、比較対象となることもあります。
SAPH(自動車構造用熱間圧延鋼板)はその名の通り、主に自動車向けですが、自動車用として薄くても強度があり軽量化につながる鋼板として開発されており、電気機器・建築材料などにも用いられる加工性の良い構造用の熱間圧延鋼板です。
SPHC
SPHCとは、JIS規格「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:JIS G 3131」に規定されている4種(SPHC・SPHD・SPHE・SPHF)のうちで、一般用とされている鉄(普通鋼)の鋼種です。
熱間圧延された鋼板は、焼けた状態で空気にさらされることで、表面に黒い色をした酸化被膜(ミルスケール)が発生するため、その見た目から、「黒皮(クロカワ)」と呼ばれる事もあります。
SPHCは、引張強さが270MPa以上の規定であるため、強度が求められる場所には不向きですが、反対に柔らかい材料であるため、曲げなどの加工性に優れているのも特徴です。
SPHCの詳細情報は下記リンクからご確認ください。
SPHCとは?SPHCの特徴やSPCC・SS400との違いについて解説
SPCC
SPCCとは、JIS規格「冷間圧延鋼板及び鋼帯:JIS G 3141」に規定されている5種(SPCC・SPCD・SPCE・SPCF・SPCG)のうちで、一般用とされている鋼種です。
SPCCは炭素の含有量が少なくやわらかいため、加工性・成形性が高い材料として知られています。
SPCCは、冷間圧延鋼板の常温で圧延した鋼板であるため、SPHCとは製造方法やJIS規格が異なります。
また、SS材やSPH材などの熱間圧延鋼板の適用厚さは1.2mm以上であるのに対し、SPCCは0.10~3.2mmであるため、t1.2以下の薄肉サイズのラインナップにも特徴があります。
SPCCの詳細情報は下記リンクからご確認ください。
本記事に関するご質問や、パイプに関するご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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TEL:0533-88-4151
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