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2024.05.24

シンニチ工業の紹介

SUS430とは?SUS430の特徴やSUS304や類似鋼種との違いについて解説

SUS430とは?SUS430の特徴やSUS304や類似鋼種との違いについて解説

SUS430とは?SUS430の特徴やSUS304や類似鋼種との違いについて解説

 

 

 目次


 SUS430とは?SUS430の特徴

 SUS430の規格
   SUS430の質量
   SUS430の化学成分
   SUS430の機械的性質
   SUS430の板厚の種類

 SUS430とSUS304との違い
   SUS304とは

 その他の類似鋼種について
   SUS430LX
   SUS430J1L


 

SUS430とは?SUS430の特徴

 

SUS430とは、JIS規格「熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4304」及び、「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4305、」などに規定されているステンレス鋼で、身近なところでも使用されている鋼種です。
用途としては厨房機器・家電部品・建築部材・自動車部品など様々な分野で使用されています。

SUS430はクロムを18%含むフェライト系ステンレス鋼の代表的な鋼種であり、ニッケルを含んでいないため、SUS304などと比較すると耐食性は劣りますがその分価格は安価で、加工性にも優れており、汎用性の高いステンレス鋼種ですまた、磁性を持っているので、磁石を使うような場面で使用される事もあります。

SUS430はステンレスパイプとしても、化粧パイプ(化粧管)などとして流通しております。SUS304と比較される事もよくありますので、SUS430の特徴やその他の類似鋼種についても知っていただければと思います。

 

ステンレスパイプの事ならシンニチ工業へお問い合わせ!

シンニチ工業では、一般的に流通していない特殊なステンレス鋼種や、規格サイズにない特殊サイズのパイプを、少量から製造できる強みがございます。

・SUS430を使用しているが、他の鋼種も比較検討してみたい
⇒その他フェライト、オーステナイトなど様々な鋼種の製造実績がございます!試作対応も可能です!

・ジャストサイズのパイプが見つからずに、近似規格サイズを使用している
⇒φ42.7~φ165.2の間で、60サイズ以上の金型を保有しております!

・使用量と発注ロットが合わずに、在庫過多になっている
⇒1本からの板巻、500kg程度からの連続造管など、条件に合わせた最適なご提案を致します!

 

特殊鋼種・特殊サイズ・小ロットでお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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SUS430の規格

SUS430の規格は、JIS規格「熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4304」及び、「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4305、」によって、質量、化学成分、機械的性質、標準寸法などが規定されています。
本記事では、それらの規格の中でも重要項目について纏めております。

SUS430の質量

SUS430の比重は7.70(g/cm3)です。SUS304とは質量が異なり、同じフェライト系でも鋼種によって質量が異なるため、注意が必要です。
鋼板の重さ(kg)=7.70 × 板厚(mm)× 板幅(M)× 長さ(M)

鋼管の場合の材料係数は0.02419です。
鋼管の重さ(kg)=【外径(mm)- 板厚(mm)】× 板厚(mm)× 0.02419 × 長さ(M)

SUS430の化学成分

単位:%

種類の記号 C Si Mn P S Cr Mo N その他
SUS430 0.12以下 0.75以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 16.00~18.00
SUS430LX a) 0.030以下 0.75以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 16.00~19.00 Ti又はNb
0.10~1.00
SUS430J1L
a), b)
0.025以下 1.00以下 1.00以下 0.040以下 0.030以下 16.00~20.00 0.025以下 Ti, Nb, Zr又はそれらの組合せ
8×(C%+N%)~0.80,
Cu 0.30~0.80
 a) Niは0.60%を超えてはならない。
 b) SUS430J1Lは、この表に規定されていないVを必要によって添加した場合、その含有率を報告しなければならない。

 

上記の表は、「熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4304」及び、「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4305、」に規定されている、フェライト系の化学成分表からSUS430を抜粋したものです。

SUS430の機械的性質

種類の記号 耐力
(N/㎟)
引張強さ
(N/㎟)
伸び
(%)
硬さ a) 曲げ性

HBW HRBS又は
HRBW b)
HV 曲げ角度 内側半径
SUS430 205以上 420以上 22以上 183以下 88以下 200以下 180° 厚さの1.0倍
SUS430LX 175以上 360以上 22以上 183以下 88以下 200以下 180° 厚さの1.0倍
SUS430J1L 205以上 390以上 22以上 192以下 90以下 200以下 180° 厚さの1.0倍
 a) 硬さは、いずれか1種類とする。
 b) HRBの測定は、HRBS又はHRBWのいずれかでよいものとし、測定値の表示には、HRBS又はHRBWを明記する。
   ただし、疑義が生じた場合の判断は、HRBSによることとする。

 

上記の表は、「熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4304」及び、「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4305、」に規定されている、フェライト系の機械的性質表からSUS430を抜粋したものです。

SUS430の板厚の種類

標準厚さは以下の通りです。標準厚さであっても、板厚によって入手性が異なります。
シンニチ工業では、ステンレスパイプの製造範囲はt0.4~2.5mmと、薄肉サイズを得意としております。

標準厚さ(㎜)
0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.0 1.2
1.5 2.0 2.5 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0
9.0 10.0 12.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0  
 *この表以外の厚さについては、受渡当事者間の協定による。

 

上記の表は、「熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4304」及び、「冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯:JIS G 4305、」に規定されている、ステンレス鋼板及び鋼帯の標準厚さ表を抜粋したものです。

 

 

SUS430とSUS304との違い

SUS304とは

SUS304は、オーステナイト系ステンレス鋼の代表鋼種で耐食性・加工性・溶接性など多くの優れた特性を有しています。また、磁性を持たず、磁石にくっつきません。
用途としては家庭用品から建築部材・自動車部品・化学工業など様々な分野で使用されています。

SUS304はSUS430よりも耐食性耐熱性に優れていますが、レアメタルであるニッケルを約8%含むため、SUS430よりも高価な材料です。部品の使用環境・用途などを考慮した上で選定する必要があります。

SUS304の詳細情報は下記リンクからご確認ください。
SUS304とは?SUS304の特徴やSUS316・SUS430との違いについて解説

 

その他の類似鋼種について

SUS430LX

SUS430LXは、SUS430にチタン(Ti)又はニオブ(Nb)を添加し、炭素(C)窒素(N)を低くし、母材及び溶接部の耐食性・加工性・溶接性を改善した鋼種です。温水タンクや給湯器、自動車部品などに使用されます。

SUS430J1L

SUS430J1Lは、SUS430に銅(Cu)ニオブ(Nb)を添加し、炭素(C)窒素(N)を低くし、耐食性・加工性・溶接性を改善した鋼種です。自動車の外装材、排ガス材、放熱器、炉部品などに使用されます。

 


SUS430について理解できたでしょうか?
60種類以上もあるステンレス鋼の中でも、フェライト系ステンレス鋼の代表鋼種ですので、特徴などを理解した上で使用されるといいかと思います。

 

本記事に関するご質問や、パイプに関するご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

TEL:0533-88-4151

WEB:WEBからのお問い合わせ

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