2024.10.07
シンニチ工業の紹介
SUS316とは?SUS316の特徴やSUS304・類似鋼種との違いについて解説
SUS316とは?SUS316の特徴やSUS304・類似鋼種との違いについて解説
目次
SUS316の規格
SUS316の機械的性質
SUS316の化学成分
SUS316の質量
SUS316の板厚の種類
SUS316とSUS304の比較
SUS304とは?
SUS316とSUS304の違う点
その他類似鋼種について
SUS316L
SUS316N
SUS316LN
SUS316Ti
SUS316J1
SUS316J1L
SUS316とは?SUS316の特徴
SUS316は他のステンレス鋼に比べて高い耐食性を持っている点が特徴です。耐食性が高いのは、SUS316がレアメタルの一種であるモリブデンを含有しているからです。モリブデンが含まれていることで、より過酷な環境でも耐えられる性質になっています。そのため、海水などの塩化物に触れる過酷な環境であっても腐食しにくいです。
SUS316は、耐熱性が高いという特徴もあります。この特性はクロム(Cr)とニッケル(Ni)を配合しているためです。例えば、産業用ボイラーや高温の化学処理装置など、高温化での使用が求められる場所でSUS316は使用されています。
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シンニチ工業では、一般的に流通していない特殊なステンレス鋼種や、規格サイズにない特殊サイズのパイプを、少量から製造できる強みがございます。
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SUS316の規格
SUS316の機械的性質
SUS316の耐力は205N/㎟以上、引張強度は520N/㎟以上となっています。引張強度が高い素材は、負荷がかかる状況でも破損や変形しにくいという利点があります。
SUS316の板厚の種類
SUS316の板厚の種類は、多様な用途に対応可能です。板厚の違いにより、耐久性や加工性が大きく変わってくるため、それぞれの用途に適したものを選ぶ必要があります。例えば、薄い板厚は柔軟性が高く、複雑な形状にも加工可能ですが、厚い板厚は高い強度を必要とする構造物に適しています。用途に応じた板厚の選択は、最適な性能を引き出すための重要な要素です。シンニチ工業では、ステンレスパイプの製造範囲はt0.4~2.5mmと、薄肉サイズを得意としております。
SUS316の質量
SUS316の比重は7.98g/㎤です。SUS304とは質量が異なり、オーステナイト系でも鋼種によって質量が異なるので注意が必要です。
SUS316の化学成分
SUS316は16%~18%のクロム(Cr)と10%~14%のニッケル(Ni)を含みます。耐久性を高める役割を果たしているモリブデン(Mo)は2%~3%含まれています。
SUS316とSUS304との違い
同じステンレス鋼であるSUS316とSUS304は多くの共通点がある一方で異なる特性を持っている一面もあります。ここからは、2つのステンレス鋼の特徴につい詳しく解説します。
SUS304とは
まずは、SUS304がどのようなステンレス鋼であるかを解説します。
SUS304とは、SUS316と同様にクロムとニッケルを成分に含むオーステナイト系ステンレスの代表格です。優れた耐食性がある点が特徴と言えます。また、溶接がしやすい特徴があることから、加工して多くの産業で幅広く活用されています。
SUS316とSUS304の違う点
SUS316とSUS304の最大の違いはモリブデンの含有量です。SUS316にはモリブデンが含まれており、その結果、耐食性が向上しています。一方、SUS304にはモリブデンが含まれておらず、特に塩水環境や化学薬品を扱う設備ではSUS316の方が優れた耐食性を発揮します。
また、SUS316と価格を比べるとSUS304は比較的低コストで入手可能です。
その他の類似鋼種について
SUS316には他にも様々な類似鋼種が存在し、それぞれ異なる特性を持っています。これらの鋼種は、特定の用途や環境で適応されるため、それぞれの特徴を理解することが重要です。
ここでは、SUS316の代表的な類似鋼種について詳しく解説していきます。
SUS316Lとは
SUS316Lは、SUS316と同じく耐食性に優れたステンレス鋼の一種です。SUS316Lの「L」は、炭素の含有量が低いことを意味しています。炭素が少ないと、より耐粒界腐食性が強くなります。
SUS316Lは加工性が高いというのも特徴の1つです。炭素量が多い素材はその分硬くなって加工がしづらくなりますが、炭素量を少なくすることで素材を柔らかくし、加工がしやすくなっています。
SUS316N
SUS316Nは、SUS316に窒素(N)を添加することで強度を向上させています。より耐食性に優れた材料という特徴があります。
SUS316LN
SUS316LNは、SUS316Lに窒素(N)を添加したステンレス鋼材です。窒素の添加によって、延性(圧力や打撃を加えた際にひび割れなどが起きず薄く広がる性質)の低下を抑えつつ強度を高めているのが特徴です。
また、高い耐食性を持ちながら、溶接後の強度低下が抑えられています。
SUS316Ti
SUS316Tiは、SUS316Lにチタン(Ti)を添加して鋼の耐食性を向上させた鋼材です。チタンを加えることにより、高温化でも優れた耐食性を発揮します。SUS316Tiは温度差のある空気や液体を扱う際に使われます。
SUS316J1
SUS316J1は、SUS316よりニッケル(Ni)含有量を増やしているステンレス鋼材です。耐食性、耐孔食性(局部的に腐食が進行しない特性)においてSUS316より優れています。
耐性が強いことから、硫酸を扱うような環境で使用されることが多いです。
SUS316J1L
SUS316J1Lは、SUS316J1をさらに低炭素仕様にしたステンレス鋼材です。低炭素仕様によって溶接性と耐食性がさらに向上しています。
SUS316J1Lは粒界腐食(局部腐食の現象の1つ)が起きづらいといった特徴を持っています。
まとめ
今回は、ステンレス鋼材の1つであるSUS316が持つ特性や、多くの類似した鋼材があることを解説しました。SUS316に限らず、それぞれステンレス鋼材には特徴があって、使用する製品や状況によってベストな選択は異なってきます。ぜひメーカー担当者や専門家に相談して、さらに理解を深めてみてください。
シンニチ工業では、SUS316の板を巻きパイプにする事ができるのはもちろんのこと、その他様々な鋼種のパイプ製造が可能です。また、お客様にとって最適な製品を提案することを得意としており、小口試作から大口量産品まで柔軟に対応しておりますので、お客様に合わせた在庫の適量維持をサポート致します。
パイプの調達でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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